風邪は耳鼻科で治す?
よく風邪を引いた人が耳鼻科の病院にかかることがありますよね。
一般的に風邪を引いた際の診療科といえば内科であったり耳鼻科であったりしますが、とりあえず近いから耳鼻科の病院に診てもらう、という人も珍しくはありません。
しかし、本当に風邪は耳鼻科に通うべき病気なのでしょうか?
これは結論から言うと、「風邪の初期治療はどの診療科でも良い」と言えます。
そもそも風邪と言う病気は、発熱や頭痛といった症状が発生した際に、他の病気の可能性が排除されて、何らかのウイルスに感染し上気道感染症が発症していることが認められて初めて「風邪ですね」と診断されます。
つまり、ある種の消去法なのです。
この消去法を行える、つまり他の病気ではないと言う診断を行える医師であれば、どの診療科であっても構わないのです。
もちろん、明らかに喉が炎症していたり、鼻水が止まらなかったり、と明らかに鼻や喉の症状が重いという場合には耳鼻科にかかるのがおすすめとなります。
基本的に医師と言うのは、自分の得意分野の医師として名乗っています。
麻酔科や歯科などの特殊な分野の医師は別ですが、耳鼻科医に関しては内科や外科の知識もあります。
しかしそれぞれに得意不得意というものはあって当然です。
そこで内科が得意であれば内科医を、外科が得意であれば外科医を名乗ることも可能なのです。
耳鼻科医は耳鼻科が得意な分野だから、耳鼻科医を名乗っているのです。
そしてもう一つ、知っておきたいのが「そもそも風邪は治療不可能な病気である」ということでしょう。
じつは風邪の治療法と言うのは、存在していません。
風邪は自分の治癒力で治す以外に治す術がない病気なのです。
とても身近な病気なので、意外に思う人も多いでしょう。
しかし耳鼻科や内科にかかって処方される薬と言うのは、あくまでも「症状を緩和させる薬」が主になります。
これは薬局で売っている市販薬も同様です。
当然、症状が辛いときはそれらを処方してもらうべきでしょう。
病気の治癒を目的とした薬ではないのです。
症状が軽いのに薬を処方してもらうと、いたずらに風邪を長引かせてしまう可能性もあります。
発熱というのは免疫がウイルスとの戦いに勝てるように体が温度を上昇させている、ある種の自己防衛です。
頭痛などはそれに伴う症状であると言えるでしょう。
その熱を無理に下げてしまうと、ウイルスとの戦いが長引いてしまう可能性があるのです。
あまり薬に頼りすぎるのも良くないのです。